『4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する』杉山茂樹[著](光文社新書)2008年04月06日

10数年来日本のサッカーを見続けて不思議に思っていたことは、攻撃にスピードがないことだった。
ボールを奪ってもトロトロただ何となく前に進むというだけで、欧州や南米の強豪国はおろか、中東や韓国、果ては東南アジア勢にさえある、敵ゴールに向かって一気呵成に攻め込むと言う感じが日本にだけはないのだ。
その疑問がこの本によって解けたような気がする。
歴代の日本代表監督が常に時代遅れの布陣を選択したせいで、サイド攻撃をするべき選手の位置取りが低く、攻撃参加するまでに長距離を駆け上ることを強いられているというのだ。
なるほど、それならばボールを持った選手の横を猛スピードで追い越して行く選手が日本にだけ見られないのもむべなるかなである。
この本は主に欧州のクラブチームを例にとってサッカーの布陣というものを丁寧に解説しつつ日本サッカーが常に代表監督の選択を誤ってきたことを指摘する。
各章それぞれは非常に面白いのだが、構成が時系列になっていないので少々読みにくいのが残念。

日本0-0チリ2008年01月26日

日本対チリ キックオフの瞬間 画像
岡田監督再登板の第1戦。
凍てつく寒さの中、国立競技場に足を運んだ。
席はバクスタンドのほぼ中央。
コートがくまなく見渡せる絶好の席だったのだが、肝心の試合内容がさっぱりで寒さもひとしおだった。

全体的にショートパスをつなぐことにこだわり過ぎている印象。
確かに前半に1度中央でダイレクトパスが鮮やかに決まって巻が決定機を迎えた場面はあったが、うまくいったのはそれっきり、あとは中盤で回すばかり。
まるでパスを回すことが目的化してしまって、攻撃の本来の目標であるべきゴールを忘れてしまったかのようだ。
したがって全然怖さがない。

後半途中、高原に代えて大久保を投入すると彼のなりふり構わずゴールを狙う姿勢が攻撃をやや活性化させる。
すると今度は決定力不足というおなじみの課題が立ちはだかる。
GKとの1対1をことごとく外し、絶好のコーナーキックにヘディングを空振りし、フリーで上げたクロスは誰もいないフィールドを転がってタッチを割る。
点が取れる気がしない。

こんなチームどこかで見た気がするなと思ったら、岡田監督率いるフランスW杯の日本代表だ。
するとこれが岡田のサッカーなのか。
いや、そうではないはずだ。
これはきっと途方もなく高度なサッカーを実現するための過程なのだ。
そう信じる他あるまい。